前回の記事にて、冬にお店のメニュー数が少なくなる理由をご紹介しました。
しかし魚が減る一方、冬獲れる魚には「寒ブリ」や「寒サワラ」といった脂乗り抜群のものが多いのもまた特徴。
「季節によって魚の味って変わるのか…?」
「そういえば他の季節の魚ってどんな食べ方をしていたっけ…。」
そんなことが気になったので、あらためて調べてみました。
ということで今回は、冬に獲れる魚の味の特徴について、ご紹介します!
冬の魚は、大きく分けて「①脂が乗る魚」と「②身が締まる魚」
まず知っておきたいのは、冬の魚の美味しさには大きく分けて二つのタイプがあるということ。
ひとつは、寒さに備えて脂をたっぷり蓄える魚。
もうひとつは、荒れた冬の海を泳ぐことで身が引き締まる魚です。
どちらも、冬ならではの環境が生み出す味わいです。
冬になると…①脂が乗る魚:寒さに耐えるため
冬は水温がぐっと下がります。
魚たちはその寒さに耐えるため、体の中に脂肪を蓄えるようになります。
その代表が、寒ブリ・寒サワラ・サバ といった青魚。
脂はただ多いだけでなく、
- 甘みが強く
- 口の中でとろけるような食感
- 焼いても身がふっくら
といった特徴があります。

ブリの海鮮丼
冬の刺身が「濃い」「旨い」と感じるのは、この脂のおかげなんですね。
冬になると…②身が締まる魚:荒れた海を泳ぐため
冬の日本海は、風も波も強く、決して穏やかとは言えません。
そんな海を泳ぐ魚は、自然と筋肉が鍛えられ、身が引き締まります。
ヒラメ、マダイ、スズキ、カレイなどの白身魚は、冬になると
- 歯ごたえが増し
- 水っぽさが減り
- 噛むほどに旨みが出る
という状態になります。

ヒラメの昆布締め
脂が多いわけではありませんが、味がはっきりする のが冬の白身魚の特徴です。
では他の季節は?
春
産卵を控えた魚が多く、身がやや柔らかくなる時期。
さっぱりした味わいで、軽い調理が合います。
例:マダイ、メバル
夏
水温が高くなり、脂は落ちやすい季節。
その分、白イカや貝類など、さっぱり涼を感じる食材が主役になります。
例:アジ、イサキ、白イカ、白バイ貝
秋
冬に向けて魚がエサをよく食べ始め、身が充実してくる時期。
脂が戻り始め、「これから美味しくなる」魚が増えてきます。
例:サンマ、カツオ
冬
脂はピーク、身は締まり、一年でいちばん味の輪郭がはっきりする季節です。
例:ブリ、サワラ、ヒラメ
脂のピーク、身の締りの良さが特徴の冬の魚。
ではどうやって食べるのがオススメなのか↓↓
冬の魚のオススメの食べ方は?
脂の乗った魚は、刺身や炙り、塩焼きなど、

ヤイトガツオの炙り刺し
身が締まった白身魚は昆布締め、煮付けや天ぷら、焼き物で。

ヒラメの昆布締め
時化で多くの量は獲れないものの一匹一匹が立派な冬の魚は、素材そのものの味を活かした食べ方が一番よく合うと考えています。
冬の魚は脂乗り抜群・身の締りが良い
なんとなく「冬の魚は脂乗り抜群だよな」というイメージで調べ始めましたが、調べながら「たしかにヒラメのような身の締りが良い魚も冬ならではだな」と気づきました。
獲れる量は多くないものの、厳しい冬の寒さを乗り越えている魚たちは脂や旨味をたっぷりもっていて、とっても美味しいという特徴があることがわかりました。
ランチでは海鮮丼、夜の居酒屋ではお造り盛り合わせやその他冬ならではの料理で、いろいろな種類の魚/食べ方をお楽しみいただけますので、脂乗りや旨味たっぷりな冬の魚をお楽しみください!
皆さまのご来店を心よりお待ちしております♪
