「根魚」という言葉を聞いたことがありますか?
根魚とは、岩礁や海底に住み着いて暮らす魚たちのこと。
「根」というのは海の中の岩場や沈み根のことです。
ブリやカツオのように広い海を泳ぎ回る「回遊魚」とは違い、根魚は同じ場所に定着して生活します。
山陰地方でよく獲れる代表的な根魚には、ウッカリカサゴ、アヤメカサゴ、ホウボウ、アコウ(キジハタ)など。
それぞれ姿形もカラフル&個性的で、海の中でもまるで岩の一部のように暮らしています。
根魚:ウッカリカサゴ
↓赤い魚の色の理由については、こちらの記事で説明していますので、合わせてご覧ください!
今回は、そんな根魚とはどんな特徴の魚なのか、ご紹介します!
1. 根魚は白身!理由は生態にあった!?
魚の身の色は、「どんな暮らしをしているか」で決まります。
魚の筋肉には大きく分けて赤身筋肉と白身筋肉があり、それぞれ役割が違います。
ブリ(回遊魚:赤身)の海鮮丼!※ランチのみ、ブリが大漁だった日のみの提供
ホウボウ(根魚:白身)の姿造り
種類 | 特徴 | 代表魚 |
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赤身筋肉 | 長時間泳ぎ続ける持久力タイプ。酸素を運ぶ「ミオグロビン」が多く赤い色をしている。 | ブリ、マグロ、カツオ |
白身筋肉 | 瞬発的な動きに使うタイプ。ミオグロビンが少ないため白っぽく見える。 | カサゴ、ホウボウ |
根魚は広範囲を泳ぐ必要がなく、近くに来たエサを一瞬で捕らえるだけなので、白身筋肉が中心になります。
そのため、身が白くて加熱しても形が崩れにくいという特徴があるのです。
2. 新鮮なうちはコリコリ!寝かせると旨味たっぷりな刺身!
お店では、根魚の持つ繊細な味を生かすため、刺身の提供にも一工夫しています。
釣りたての新鮮な根魚は身がキュッと締まり、コリコリとした食感が魅力です。
また、一日ほど寝かせることで筋肉中の成分が旨みに変化し、しっとりとした甘みと深い風味が引き立ちます。
お店では、皮を湯引きして香ばしさを引き出す「松皮造り」や、軽く炙った「炙り刺し」にしてお出しすることも。
お店に入ってきたその日の状態に合わせて調理法を変えることで、一番おいしい瞬間の根魚を提供しています!
3. 実は煮付けにぴったりな根魚の理由は?
根魚は料理人からも「煮付けにぴったり!」と評価されます。その理由は2つ。
レア魚!ハツメ(根魚)の煮付け
理由① 煮ても崩れない
白身魚は筋繊維が短く細かいため、加熱しても急に水分が抜けず、形を保ちながらふっくら仕上がる特徴があります。
回遊魚のような赤身魚は煮ると崩れやすいですが、根魚なら見た目も美しいままです。
理由② 出汁がとにかく美味しい
根魚はエビやカニなどの甲殻類や小魚を食べて育つため、身や骨に旨みがたっぷり含まれています。
煮るとその旨みが煮汁に溶け出して、魚そのものが天然の出汁素材に。
そんな出汁が染み込んだ煮魚はまさに絶品。
お箸が止まらなくなること間違いなしな美味しさです。
4. 山陰地方で人気の根魚
山陰地方では秋から冬にかけて根魚が特に美味しくなります。
旬を迎えた魚は脂がのり、寒い季節にぴったりの料理になります。
魚種 | 特徴 | おすすめメニュー |
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ウッカリカサゴ | 身が厚く濃厚な旨み。深場に生息する高級魚。 | 煮付け、唐揚げ |
アヤメカサゴ | 小ぶりで上品な味わい。 | 唐揚げ、味噌汁 |
ホウボウ | 出汁が抜群で、旨みが濃い。 | 鍋、煮付け |
アコウ(キジハタ) | 高級料亭でも使われる白身魚。 | 刺身、薄味の煮付け |
5. まとめ
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根魚は岩礁や海底に住み着く魚で、山陰地方では秋から冬にかけて旬を迎える。
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白身筋肉が中心で、煮ても崩れにくくふっくら仕上がる。
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刺身は釣りたてはコリコリ、寝かせると甘みと旨みが増す二段階の楽しみ方ができる。
根魚をぜひお試しください!!
根魚ってなんだろうと思って調べていたら、実は煮付けにピッタリなお魚だったということがわかりました!
火入れすることで美味しい出汁をたくさん出して、ふっくらした食感が魅力の根魚。
お刺身にしても、そのコリコリとした食感や熟成させることで旨味たっぷりのまた違った味をお楽しみいただけるのも魅力。
海彦では煮付けや刺身など、色々な食べ方をご用意しています。
ぜひ一度、お試しください!
皆さまのご来店を心よりお待ちしております♪