何回か続いてきた韓国旅行シリーズ。
これまではスーパーでの魚の売り方や海鮮料理など、食文化の違いを取り上げてきました。
今回は、ちょっと趣向を変えて「ビール」のお話。
旅行中に飲んだのは、CASS(カス)、TERRA(テラ)、Kelly(ケリー)の3種類(と、マッコリ)。

CASS・TERRA・Kellyのビール3種と、マッコリ2種
この3種を飲んでみて最初に感じたのは、
「韓国のビールって、かなりすっきりしているなぁ!」
という印象。
ただ、この3種飲んだだけで韓国ビールの印象を決めてしまってはもったいない!ということで、今回は韓国と日本のビールは実際に何が違うのか、銘柄の情報を調べてみました。
ビール好きの方にも、韓国旅行を予定している方にも、楽しんで読んでもらえたらうれしいです。
今回の韓国旅行で飲んだビールは3種類
まずは、今回飲んだ3銘柄をご紹介します。
※ここで紹介するメーカーや製品の特徴は公表されている商品情報をもとにし、実際の飲み心地については個人の感想として書いています。
CASS(カス)|韓国で親しまれているビール
青い缶が目印のCASS。韓国のOBビールが展開するブランドです。

真ん中がCASS
韓国のOBビールが展開するブランドで、今回飲んだCASS Freshはアルコール度数4.5%の商品です。
すっきりした爽快感を特徴とするラガービールとして紹介されています。
ラガーとは、主に低温で発酵させる酵母を使ってつくられるビールの種類のこと。日本でもラガー系のビールは広く飲まれています。
つまり「韓国だから特別な製法」というわけではありません。そして同じラガーでも、商品によって味わいは違います。
TERRA(テラ)|炭酸の爽快感を打ち出したビール
緑の缶が印象的なTERRA。こちらは韓国のハイト眞露が製造するビールです。

右がTERRA
こちらは韓国のハイト眞露が製造しています。
メーカーはオーストラリア産麦芽の使用や、発酵の過程で生じる炭酸を商品の特徴として紹介しています。
韓国向けの商品情報では、アルコール度数は4.6%。
スッキリ爽やかな炭酸が印象的なビールです。
Kelly(ケリー)|麦芽の風味にも注目
金色の缶のKellyも、ハイト眞露のビールです。

左がKelly
デンマーク産麦芽を使用し、二段階の熟成工程を特徴として紹介しています。
アルコール度数は4.5%。
同じメーカーのTERRAとKellyでも、商品として打ち出している特徴は違うんですね。
Kellyでは麦芽の風味となめらかな飲み口が重視されています。
韓国と日本のビール、具体的には何が違う?
では、ここからは日本のビールと比べてみます!
今回は、実際に飲んだ韓国の3銘柄と、日本で代表的な銘柄(アサヒスーパードライとキリン一番搾り生ビール)の公表情報を例にします。
違い① アルコール度数
CASS Freshは4.5%、Kellyは4.5%、TERRAは商品情報によって4.5〜4.6%。
一方、日本のアサヒスーパードライとキリン一番搾り生ビールは、いずれも5%です。
今回比べた商品に限れば、日本の2銘柄のほうが少し度数が高いことになります。
※ただし、アルコール度数が低いから、必ずすっきりした味になるわけではありません。今回の比較結果はあくまで一例として読んでいただければと思います。
違い② 原料とつくり方
ビールには一般に、水、麦芽、ホップ、酵母などが使われます。
例えばTERRAはオーストラリア産麦芽、Kellyはデンマーク産麦芽の使用を特徴として公表しています。
一方、日本のビールはどうでしょうか?
キリンの公式商品情報には、キリン一番搾り生ビールの麦芽やホップの産地も具体的に掲載されています。↓
| キリン一番搾り生ビールの原料 | 原産地・製造地 |
|---|---|
| 麦芽(製造地) | 北米、欧州、豪州、日本 |
| 大麦(原産地) | 北米、欧州、豪州、日本 |
| ホップ(原産地) | ドイツ、チェコ |
日本のビールにも、世界各地の原料が使われているんですね!
キリンの表示では、麦芽を加工・製造した地域と、原料の大麦が育った地域が分けて書かれています。
北米、ヨーロッパ、オーストラリア、日本と、部分的に今回韓国で飲んだビールと共通する産地もみられました。
出典:キリン公式「キリン一番搾り生ビール」商品情報
こうして比べてみると、韓国のビールも日本のビールも、海外の原料を使用していることが分かります。
ただし、同じ地域の麦芽を使っているからといって、同じ味になるわけではありません。麦芽の品種や配合、発酵・熟成の方法などによっても、ビールの仕上がりは変わってきます。
原料の産地はビールの個性を知る手がかりのひとつですが、それだけで味の違いを説明することはできないんですね。
違い③ 苦み・香り・コク・後味
では、実際の味わいにはどんな違いがあるのでしょうか?
今回比較した5銘柄について、苦みや香り、コクなどを同じ条件で測定した客観的なデータは確認できませんでした。そのため、ここからは韓国で飲んだときの私の感想になります。
CASS、TERRA、Kellyの3種類を飲んで共通して感じたのは、かなりすっきりした飲み口でした。普段日本で飲んでいるビールとは少し印象が違い、特に辛い韓国料理と一緒に飲んだときの爽快感が印象に残っています。
ただ、日本にもアサヒスーパードライのように、すっきりした後味を特徴とするビールがあります。つまり、韓国と日本で味がはっきり分かれるわけではなく、銘柄ごとに個性があるということですね。
数字や原材料の表示だけでは分からない発見があるのも、ビールの面白いところだと思います。
それでも印象に残ったのは、辛い韓国料理との相性
さて、ここからは旅先での話に戻ります。今回の旅行では、辛い料理を食べる機会が多くありました。
そんな料理を食べたあと、冷たいビールをひと口。これが、おいしい!
香辛料の効いた料理のあとに、ビールの炭酸とすっきりした飲み口が心地よく感じられました。ついつい次のひと口、次のひと皿へと手が伸びます。
最初は日本で普段飲んでいるビールとは少し違うな、と感じていましたが、食事と一緒に飲んでいるうちに、今回のビールのすっきり感がむしろ魅力に感じられました。
しかし具体的な韓国ビールの製造意図は確認できず・・・
私が辛い韓国料理とあっさりスッキリしたビールとの組み合わせを気に入ったという体験から、資料を探してみましたが、「韓国ビールは辛い料理に合うようにつくられている」といった製造意図は確認できませんでした・・・。
文章・データではどうにもお伝えできないので、韓国に行く予定のある方は一度試してみていただければと思います。笑
料理に合うお酒を選ぶ。海彦にも通じる考え方です
「やっぱり食文化ごとに、お酒と料理は合うように発展してきたのかな」などと思いを馳せながら、じゃあ海彦ではどうなのか!ということで、海彦のお酒選びの秘密を少しお伝えします。
実は海彦では、お酒、特に日本酒を選ぶときに大切にしていることがあります。
それは、「海鮮料理に合うかどうか」ということ。
魚そのもののおいしさを楽しんでいただきたいので、日本酒も、料理の味を引き立ててくれるようなものを中心に選んでいるんです。
その特徴がよくわかるのが、こちらの日本酒味わいチャートです。↓

味わいチャート2026.11版。香り高め&味が濃いめの点線枠内が少ない
ご覧いただくと、香りが高く、味わいの濃い日本酒が比較的少ないことに気づくかと思います。
海彦では、魚の繊細な旨みや甘みを大切にしたいという考えから、香りは穏やかめで、すっきりした飲み口の日本酒を多くそろえているんです。
韓国と日本のビールの違いを調べて分かったこと
今回の韓国旅行で飲んだCASS、TERRA、Kelly。
どれも私にはかなりすっきりした飲み口に感じられ、辛い韓国料理との相性も印象的でした。
調べてみると、韓国と日本のビールには、アルコール度数や原料、製法など、銘柄ごとにさまざまな違いがあることが分かりました。
もちろん、韓国のビールがすべてすっきりしているわけでも、日本のビールがすべて濃厚なわけでもありません。
国の違いだけでなく、それぞれの銘柄が持つ個性を楽しむことが大切なんですね。
そして今回、何より印象に残ったのは、料理とお酒の相性です。
辛い韓国料理には、すっきりしたビール。そして山陰の魚料理には、そのおいしさを引き立てる日本酒。
料理が変われば、楽しみたいお酒も変わる。お酒が変われば、料理の楽しみ方も広がる。
そんな食事の面白さを、改めて感じた韓国旅行でした。
海彦でも、ぜひ魚料理とお酒の組み合わせを楽しんでみてください。
いつものお気に入りを選ぶのもよし。料理に合わせて、ちょっと違う一杯を試してみるのもよし。
思いがけないおいしさに出会えるかもしれませんよ!
皆様のご来店、心よりお待ちしております♪
参考資料
TERRA(眞露株式会社・日本向け商品情報)
キリン一番搾り(キリンビール)
アサヒスーパードライの麦芽表示(アサヒビール・2019年公表資料)
キリン一番搾り(キリンビール)
アサヒスーパードライ(アサヒビール)


